お題を見て思い出したのが、以前にも書いたチェ・ゲバラの手紙です。
そのまま再記載しますね!
↓
チェ・ゲバラについては、ザックリと知っている程度でした。
有名な言葉は知っていましたが、その言葉が書かれた手紙の内容までは知りませんでした。
それが
たまたま
ネットで見つけて、、読み終わった時には涙が溢れていました。。
僕は
この無垢な心が好きです。
フィデル・カストロとキューバ国民に向けて書かれた手紙の以下、、転載です。
1965年10月3日、キューバ社会主義革命統一党はキューバ共産党と改称した。カストロは、演壇に立ち、つぎつぎに中央委員を指名していったが、そのとき、この席上に当然いなければならぬ同志がひとりいる、それはチェだ、といった。会場から起こった拍手が静まるのを待ち、カストロはポケットから一通の手紙をとり出して読みあげた。
いまこの瞬間に、ぼくは多くのことを思い出している。マリア・アントニアの家で初めてきみに逢ったときのこと、ぼくに一緒にこないかと誘ってくれたときのこと、そして準備をすすめているときのあの緊張の全てを。
ある日、死んだ場合には、誰にしらせたらよいか、と訊かれたことがあった。そして、そういう現実の可能性に、ぼくらはみな衝ちのめされてしまった。その後ぼくらは、それがあり得たことで、革命においてはーーそれが真の革命であればーー人は勝利を得るか死ぬかだということを学んだのだ。多くの同志が勝利にいたる道程で倒れてしまった。
今日ではあらゆることがさほど劇的には感じられないが、それはぼくらが成熟したからで、現実は繰りかえされているのだ。ぼくはキューバ革命において、その地でぼくに課せられた義務の一部を果たしたとおもう。で、きみに、同志に、そしてきみの、いまはぼくのものでもある国民に、別れを告げる。
党指導部における地位、大臣の地位、少佐の位階、キューバの市民権を、ぼくは公式に放棄する。法的にぼくをキューバに結びつけるものは、もう何もない。といっても、辞令を出せばできるようにはあっさりと断ち切ることのできぬ種類の絆は残るが。
過去を振り返ってみると、革命の勝利を不動のものとするために、ぼくは誠実かつ献身的にこれまで働いてきたと信じている。ぼくになんらかの誤りがあったとするなら、それはシエラ・マエストラの初期のころ、きみにじゅうぶんな信頼を置かなかったことと、指導者ならびに革命家としてのきみの資質をさほど早く理解しなかったことだ。ぼくは素晴らしい日々を生きてきた。そしてカリブの危機の輝かしくも苦しい日々に、きみのかたわらにあって、わが国の国民であることを誇らしく感じたものだ。
あのころのきみよりも偉れた政治家なんていないだろう。そしてまた、ぼくはきみに躊躇なく従い、きみの考え方を身につけ、ぼくらが置かれていた危険や原則を理解し評価したことを誇りにしている。
いま世界のほかの国が、ぼくのささやかな力添えを望んでいる。きみはキューバの責任者だからできないが、ぼくにはそれができる。別れの時がきてしまったのだ。
喜びと悲しみのいりまじった気持で、こんなことをするのだ、と察してほしい。ぼくはこの地に、建設者としての希望のもっとも純粋なもの、そしてぼくがもっとも愛している人々を残して行く・・・・・・またぼくを息子のように受けいれた国民からも去って行く、それはぼくをとても悲しい気持にするのだが。ぼくは、新しい戦場に、きみが教えてくれた信念、わが国民の革命精神、もっとも神聖な義務を遂行するという気持をたずさえて行こう、帝国主義のあるところならどこでも戦うために、だ。それがぼくを慰め、深い心の傷を癒してくれる。
繰り返すが、これまで模範であったことから生ずる責任を除いて、キューバにおける一切の責任から解放されたことをいいたい。もし異国の空の下で最後の時を迎えるようなことがあれば、ぼくの最後の想いは、この国の人びとに、とくにきみに馳せるだろう。きみのあたえてくれた教えやお手本に感謝したい。そしてぼくの行動の最後まで、それに忠実であるように努力するつもりだ。ぼくは、わが革命の外交政策にいつだって自分を同化してきたし、これからもそうであり続けるだろう。ぼくは妻子には何も残さなかった。それを後悔するどころか、むしろ満足している。国家がかれらの必要とするものや教育をあたえてくれるだろうから、ぼくがかれらのために求めるものは何もない。
きみやわが国民にいいたいことは尽きないのだが、その必要はないようだ。言葉はぼくのいわんとすることを表現できないし、これ以上は紙をよごすに値しない。
永遠の勝利まで。祖国か死か。
ありったけの革命的情熱をこめてきみを抱擁する。
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カストロのしゃがれぎみの声がチェの手紙を読みあげる間、人々の視線は、壇上の列の中にあるアレイダ・マルチに注がれた。
「フィデルがチェの手紙を読みあげたとき、テレビカメラは、黒い服をまとったチェの奥さんの姿を映しました。その瞬間、わたしは涙があふれてくるのを抑えることができませんでした」
(ホセ・イグレアシス「キューバ革命の拳の中で」より)
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